構想(パーツの決定とLinux・ソフトの選択)


ハードウェアの構想

 理論計算を行なうにあたり、新しくパソコンを購入する人もいるだろうし、今まで使っているWindowsパソコンにLinuxをインストールして計算する人もいるだろうと思います。1台のパソコンで理論計算をするなら後者の今あるコンピューターを活用するのも問題ないのですが、PCクラスタを組み上げるなら、同一機種で揃えることが非常に重要となってきます。違う種類のコンピューターでもネットワークで繋いで、計算を分散させて実行することも可能なのですが、最も遅いコンピューターに性能が足を引っ張られてしまったり、第一に新しいコンピューターを購入することで気分一新、頑張って、様々な設定を行なえるモチベーションにもなると思えます。
 私はハードウェアであるパソコンと周辺機器を新規に購入しました。まず、購入方法として大きく3種類ほどに分類できます。
・通常のパソコン購入
  説明する必要すらない通常のパソコン購入
BTOパソコン(Built To Order)
  デルの通販なんかが有名だけど、パソコンのスペックをカスタマイズして注文する方法
自作パソコン
  CPU・マザーボード・メモリーからケースに至るまでパーツで購入して自分で組み立てる方法
 それぞれに一長一短があります。基本的にカスタマイズ度は 通常<BTO<自作 の順で高くなり自由度は大きくなるのですが、パーツの選別の難易度も 通常<BTO<自作 と高くなってしまいます。PCクラスタを組み上げるならBTOか自作かどちらかでしょうが、私自身は無謀にもパーツから組み上げる自作を選んでしまいました。

 実際に購入したパーツを紹介いたします。(4台のPCクラスタの構成)

CPU PentiumD 820 BOX 4個
クロック周波数が2.8GHzのCPUを2つ合体させたCPU(デュアルコアプロセッサ)。自作用語でBOXとはCPUを冷却するファン(CPUクーラー)付きの意味です。

マザーボード Intel D945GTPLKR 4枚
マザーボードの選択は、内臓LANがギガビットであること、そして、最大搭載メモリー(4GB)を確認した。

メモリー DIMM DDR2 SDRAM PC4300 1GB SAMUSUNG 8枚(1node 2GB)
マザーボードとメモリーには相性問題というのがあるそうです。計算用マシンとして考えるとき、CPUのクロック周波数と同じくらいメモリーのアクセス速度が重要になります。

CDドライブ TEAC CD-552GA-002-B/K 4基

ハードディスク HGST HDS728080PLA380 (80G S-ATA2) 6台
masterに2台・slave nodeに各1台と予備1台

モニタ LG電子 L1751SQ-BN 1台

キーボード・マウス OWLTECH OWL-MK53(B) 1セット

ケース CELSUS CS-MC04BK 4個(400W電源付き)
CPUにPentiumDを選んだ場合は、電源の規格に注意が必要です。

CPU切替器  ナカガワメタル NK-KVM-P4U 1個

追加LANアダプタ PLANEX GN-1200TW 1枚

スイッチングハブ BUFFAKO LSW-GT-5NS 1台

ケースファン TAO EC12025SL12SA(12cm) EC8025L12S(8cm) 各4個



ソフトウェアの構想

 中身のソフトウェアの選択も多岐にわたっています。まず、基幹となるOSですが、WindowsやMacintoshでも可能なのですが、計算を行なう上で、多くの計算化学プログラムがFortran言語で書かれて、Linux上でコンパイルされています。そのため、Linuxをインストールするのが、容易(多くのプログラムを利用できる)であり、また、Windowsに比べて、安定性も高いので良いと思われます。ただ、じゃあ、どのLinuxをインストールするのかという問題がでてきます。Linuxにはいろいろな種類があって(ディストリビューションと呼ばれる)、好みが分かれるようです。
・Red-Hat系 (Red-Hat, Fedora, Vine など)
最も有名なディストリビューションの1つでしょう。基本的には商用なので、売っていますが、Red-Hat社が出資したプロジェクトFedoraでは無料でLinuxを配布しています。
・Debian系 (Debian, Knoppix など)
ユーザー集団が開発している無料のLinuxです。DebianをベースにCD1枚で起動できるLinuxのKnoppixは非常に有名です。
どのLinuxをインストールしようか考えたのですが、まず、PentiumDがEM64T(AMD64)モードで動作可能なので、なんとなく速そうと思い、64bitのLinuxをインストールすることに決めました。次に後述するインテルフォートランコンパイラを使うつもりだったので、Debian系よりRed-Hat系のほうが良いだろうと思いFedore Core x86_64をインストールすることに決定しました。

OS以外にもPCクラスタを繋いで分散させて計算を行なうためのプログラムMPIをどれにするのか、実際に化学計算を行なうプログラムは何をするのか、 とまだまだ、選択肢はありますが・・・のちほどに


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