Read me first (序章)


スーパーコンピュータは要らない

 私自身、理論化学の計算はスパコンでやるものだという思い込みがあった(実験科学者なので)。あるきっかけから自分自身が計算をやることになったのだが、まず手始めに、余っていたWndowsパソコンで計算を練習して、次に計算機センターのスパコンで本格的に計算をしてみた。その時の印象が、思ったよりスパコンが早くないことであった。(10倍以上は計算速度が違うと思っていた。)
 実際に世の中の風潮は、デュアルプロセッサである。ここ10年、20年余りの間、CPUのクロック周波数を上げて、パソコンのスピードアップを図ってきている。パソコンに詳しくない私でさえ、CPUのクロック周波数くらいは気にしながらパソコンを買っていた。しかし、デュアルコアプロセッサとは1個のチップに2つのCPU(コア)を載せて、スピードアップを図る、言うなれば、クロック周波数ではなく、CPUの数で、計算機の能力を上げようと、完全な方向転換をCPUメーカーがしているのである。
 ここで分かってきたのだが、特殊な計算にカスタマイズされたスパコンを除いて、一般的な計算をするための一般的なCPUの性能は上昇の限界に達しつつあって、だからこそ、スパコンとの性能差があまりなく、さらに、計算機センター等のスパコンは、数名で同時に使っているので、スパコンを使うメリットが非常に下がってきているのである。
 そこで思ったことが、世の流れがCPUの数を増やして計算機の性能を上げる方向性なら、その最たるものであるPCクラスタ(コンピューターをネットワークで繋いで計算を行うシステム)を作って、スパコン並みの計算機を占有できる環境を作ってみたいと考えるようになったのである。

Linuxの先生=インターネット

 PCクラスタを作るにあたって、パソコンやLinuxなどの幅広い知識が必要となってくる。Linuxという言葉すら、あやふやであった私でも、PCクラスタを作れちゃったのです。全くの門外漢・素人であったので、一昔前なら、まず、関連の書籍を買って勉強するのだろうが、必要な情報をほとんどGoogleで調べながら、進めていった。結局、様々な困難に出会ったとき、そんなトラブルは、パソコンの数が多数あるように、いろんなケースがあって、とても一つや二つの書籍に書ききれるはずがなく、インターネットにおける検索は、問題解決のために必要不可欠な状態でした。
 いろんなホームページをブラウズしながら、PCクラスタを作ったのだが、多くのホームページがインストールメモ的なものが多く、簡単に言えば、Linuxで使う呪文のようなものが書いてあるだけで、その意味を調べるために、また、Googleを使うというのを繰り返していた。このホームページでは、本当の初心者のために、私が辿ってきた道を紹介して、多くの方に計算化学を身近なものにしたいと思います。そのため、多くの用語は解説を加えるなり、有用な解説のホームページにリンクを張るようにするつもりである。
 このページの読者にお願いしたいことがあります。初心者の方には、この用語が分からない等のホームページをより初心者にやさしいページに変えていくための提案を送ってもらえれば幸いである。また、私自身が、まだまだ、素人であるので、間違った記述を見つけたなら、ご連絡をお願いしたい。
 最後に、PCクラスタを作ることができたのは、やはり、多くのホームページ(掲示板を含む)のおかげであり、この場を借りて感謝いたします。その感謝を還元する目的も込めて、このページの開設を決心いたしました。


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